大木に蜘蛛図鐔 無銘 甚吾(後代)

後金工志水甚吾は、生命感を超越した心象風景を描き出すを得意とした。この鐔は、古木に張られた巣が鮮やかに目に飛び込んでくる印象的な出来。色合い黒々とした鉄地を松皮の枯れた肌合いそのままに彫り出し、蜘蛛も写実的、蜘蛛の糸は金象嵌で、苔生した樹木の様子は鄙びた風情がある。作行から三代甚吾と鑑せられる優品である。
特別保存刀装具鑑定書(後代甚吾)
大木に蜘蛛図鐔 無銘 甚吾(後代)